成都では蕎麦が食べらる。蕎麦を簡体字にして荞麦というのが蕎麦なのだそうだ。そばで作った麺のことは荞麦面、荞面と書く。
中国人の友人は、日本人は蕎麦好きなものだと思い込んでいるようで、会うたびに成都では蕎麦が食えるぞ、もう蕎麦を食べたかと聞いてくる。実はもうすでに食べていたのだが、蕎麦は好きなので友人に教えて貰った店に食べに行ってみた。
友達に崇州荞面と王婆荞面という店を教えてもらったので、まず崇州荞面に行ってみる。崇州荞面は錦興路と青石橋南街の交差点の角にある青い看板の店。いろいろな種類があるがもっとも一般的と思われる熱蕎面を辣椒(唐辛子)なしで頼む。値段は普通の麺に比べると少し高くて9元。
注文して待つこと少々、たぶん2、3分で蕎麦面が運ばれて来た。肉とセロリやタケノコの荒みじん切りが麺の上に載っている。麺の色は日本の蕎麦と比べると緑というか黄色がかった色。食べてみると確かに蕎麦の味がする。麺はぼそぼそだが中国に来て米線などコシのない麺を食べ慣れているから、ぼそぼそでコシがないのもあまり気にならない。
数日後、今度は王婆荞面に行ってみた。友達曰く、王婆荞面は崇州荞面よりも少し高級で、成都で蕎麦麺の有名店というと王婆荞面になるらしい。青石橋中路と学道街の交差点から少し学道街を東に10、20メートル行った南側にある。ここは店頭で練った蕎麦をところてんのように押し出して茹でているところを見ることができる。ここにもいろいろな種類の蕎麦面がある。あっさり味と思われる素蕎面というのがあったので辣椒なしで注文する(9元)。
今回も待つこと2、3分で蕎面が運ばれてくる。セロリとタケノコが載っていて崇州荞面と見た目は同じ、素蕎面なので肉は入っていない。味は少しこちらの方があっさりしている。麺もこちらの方がおいしい。
成都の蕎麦面はぼそぼそだがそれなりにおいしいことはわかったのだが、これを日本の蕎麦と同じものと思っていいのだろうか。不安なので調べてみた。
成都で食べられているこの蕎麦は苦蕎麦というもので中国四川省南部と雲南省北部で生産されていて涼山イ族自治州が産地として有名らしい。中国以外ではモンゴル、ロシア、ネパールなどで食べられている。
苦蕎麦は日本の蕎麦と同属だが、日本の蕎麦が育たないような土地でも育つ。苦蕎麦といわれるように苦味がある。韃靼蕎麦ともいわれるらしい。
韃靼蕎麦を食べていたのかと思うと感慨深い。
ちなみに苦蕎麦の饅頭というものもあった。こちらは蕎麦面よりもだいぶ苦かった。
雲南省昆明では蕎麦面は見かけなかったが、苦蕎麦饅頭は売っていた。